次世代被害 初の調査へ カネミ油症で全国研究班

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 長崎県などに多いカネミ油症被害者。その子や孫ら「次世代被害者」を対象に、全国油症治療研究班(事務局・九州大)が健康実態調査を行う方針であることが6日、厚生労働省への取材で分かった。油症が発覚した1968年以降、次世代に特化した公的な調査はない。大半は未認定で救済策もないが、調査で次世代の被害実態が明らかになれば認定制度の改定につながる可能性もある。
 同研究班は油症のメカニズムや治療法、認定可否を決める診断基準の設定などを担う組織で、国が研究費を支出している。調査の時期や手法は検討中。月内にも被害者側に一定の方針を説明する。対象者に協力金を出すことも検討する。
 次世代被害者は、原因の汚染油を食べた母親の胎盤や母乳を通じ、有害化学物質の影響を受けた恐れがあるが、主因のダイオキシン類の血中濃度は高くなく、同濃度を重視する診断基準に認定を阻まれている。支援団体のカネミ油症被害者支援センター(YSC)は昨年、次世代49人の病状などを聞き取る調査を独自に実施。先月、調査結果を厚労副大臣に提出し国による調査などを要望していた。
 厚労省はYSCの調査について、対象者が少ないことなどから「救済の根拠にするのは困難」としながらも自由記述欄に被害実態が克明に記載されていたことなどを踏まえ、研究班主体の調査に協力する考えだ。
 YSCの大久保貞利共同代表は「研究班は通り一遍の調査ではなく、被害者に寄り添い、正確に次世代の苦悩をくみ取ってほしい」と求めた。