緊急事態再発令 「遅い」「自分で身守る」 批判、理解も 県民の思い交錯

 「遅い」「自分の身は自分で守らなければ」-。新型コロナウイルス特別措置法に基づく首都圏での緊急事態宣言再発令に、感染拡大が続いている長崎県民からは7日、さまざまな声が聞かれた。
 長崎市の自営業、寺井修三さん(70)は「(対応が)全て後追いで遅い。Go To キャンペーンなんてとんでもなかった。都会からの行き来で感染者が増えたように感じる」と批判。逼迫(ひっぱく)する医療現場を心配し「首都圏に限らず(緊急事態宣言を)全国で発令すべきだ」と訴えた。
 西彼長与町の主婦(52)は発令を「仕方がない」と受け止める。「Go To」は経済を回そうと知恵を絞った政策で恩恵を受けた人もいるとし「誰も責められない」と理解を示した。マスク着用や手洗い、うがいなどを徹底。「自分の身は自分で守らなければ」と自らに言い聞かせている。
 月に数回、関東への出張があるという佐世保市塩浜町の会社役員、水上陽介さん(39)。昨年4月の発令時には出張をやめ、ウェブ会議やメールに切り替えたが「空気感が伝わらず、相手の感情や反応も分かりにくかった」。今回は重要な面談の場合、感染対策を徹底し現地に行く予定。「経済が停滞するのも怖い」と複雑な心境を明かした。
 「コロナのせいで第1志望の大学を諦めるわけにはいかない」。東京の大学を受験する長崎市の女子高校生(18)は、感染への不安を抱えながら目標を追う。緊急事態宣言が2次試験の日程や形式へ影響を及ぼさないか-。「(そこに合わせて)ずっと準備してきたので変更は困る」と切実な思いを口にした。


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