最高を更新

 大雪から1週間もたたないが、このところ寒さはずいぶん緩んでいる。小寒から節分にかけての今時分は「寒の内」で、寒さが最も身に染みる頃とされるが、冷え込んでもあまり長引かない▲列島で昨年12月中旬から降り続く大雪は、峠を越えつつあるらしい。気象庁が先ごろ発表した1カ月予報によれば、この先、冬型の気圧配置は長く続かず、雪や雨の量は平年並みという▲凍えるような底冷えを感じるのは、ひと冬に一度あるかないか。思えばここ数年、本県ではそんな冬季が続いている。昨冬(おととし12月~昨年2月)の平均気温は、長崎市でも佐世保市でも、統計を取り始めてから最も高かった▲昨年、夏は夏でひどく暑くて、あちらこちらでお盆を過ぎて猛暑日を記録した。暖かい冬を過ごし、炎暑の夏を耐えた昨年、全国の平均気温は平年値(2010年までの30年間の平均)よりも0.95度高かったという▲気象庁によると、おととしはそれまでで最も高かったが、昨年はそれを更新した。100年当たりでは1.26度上昇している▲2年連続で過去最高を更新…。なんとも心の弾まない記録だが、「まさか、3年連続?」と頭に浮かんで首を振る。「過去にない」でも「記録的な」でもない。気候に「ほどほどの」と穏やかな形容を添えられる年に。(徹)

 


© 株式会社長崎新聞社