【全日本】諏訪魔「今年は大会場…両国目指す!」 守勢で昨年〝無冠〟全日が一気にギアチェンジ

芦野との3冠戦へ気合を入れた諏訪魔

全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権(24日、東京・後楽園ホール)で王者の〝暴走男〟こと諏訪魔(44)と芦野祥太郎(31)が激突する。昨年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」で、全日勢は受賞者なしに終わった。現状に危機感を覚える王者はその屈辱を晴らすべく、2021年は徹底的に〝攻めの姿勢〟を打ち出す構えだ。

諏訪魔はいつになく真剣な表情だった。「危機感がないと言ったらウソになるよね。やっぱりプロレス大賞は1年間の働きが評価される場だし。コロナがあっても攻めに出た団体と、守りに入った団体の差も出た。全日本は守りに入った部分があったと思うし、仕掛けはやっとくべきだった」

昨年は3冠と世界タッグの5冠王者として活躍した。だが、プロレス大賞では石川修司(45)との4年連続の最優秀タッグ賞を逃し、5部門にノミネートされた全日勢は5年ぶりに受賞者なしという結果に終わった。

だからこそ「2021年は攻めなきゃいけない。3冠戦線も盛り上げていくし、やっぱり新日本プロレスもノアも大きいところでやっている。ビッグマッチは選手にとってもモチベーションになるし」と闘志を燃やす。

目指すべき会場もある。諏訪魔が幾度となく3冠戦の舞台に立った東京・両国国技館だ。「(2011年3月に)東日本大震災が起こった直後、業界で最初に全日本が両国国技館でやった。こんなご時世だからこそ、そういう姿勢は見せたいし、3冠王者としてそこに団体を導きたい」と語気を強めた。

そのためにも、まずは24日に控える芦野とのV5戦を突破しなければならない。今回は王者からの指名でタイトル戦が決まった。「前回(昨年6月30日)は無観客のテレビマッチで芦野と3冠戦をやった。一番どん底の状態だったんだよね。でも、その時にこれは面白い相手だって思ったし、生でお客さんに見てほしいと思った」と指名理由を説明する。

「レスリングのベースがあり、プロレス界に入ったきっかけが馳浩さんに誘われたっていう部分も共通している。今回は緊急事態宣言下という状況だけど、こんな時に3冠戦を2回もやるって不思議な縁を感じる」としながらも「まだ彼はキャリア5年だし、発展途上なわけだから、ここで負けるわけにはいかない!」。暴走王者の逆襲がスタートする。

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