初の大学入試共通テスト始まる 県内25会場で2万7千人

解答用紙の配布を待つ受験生=横浜市保土ケ谷区の横浜国立大学

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令が11都府県に拡大して初の週末を迎えた16日、初めての大学入学共通テストが全国で一斉に始まった。県内の高校卒業見込み者と卒業者らを合わせた志願者数は、前年度の大学入試センター試験より319人減って3万4678人(男2万138人、女1万4540人)。31日までの4日間、2万7156人が県内25会場で、一部の地域に住む志願者は都内でそれぞれ受験する。

 県内最多4711人の会場となる横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)では、開門を待つ受験生が早朝から長い列を作ったが、例年見られたような高校や予備校の教員らの姿はなかった。

 校門には感染防止のためにマスク着用を呼び掛ける張り紙が掲示され、会場入り口では係員が消毒液入りの容器を手に持ち、一人一人に手指消毒を求めるなど、厳しい感染防止策が取られる中で試験に臨んだ。

 31年続いた大学入試センター試験に代わり初めて実施される大学入学共通テストは、従来通りのマークシート方式。知識だけではなく思考力や判断力、表現力が重視され、考える力がより問われるという。

 「密」を避け、1メートルの距離をあけて列に並んでいた県立高校3年の男子生徒(18)は、「過去の問題を解くことができないので不安はあるが、全員同じ条件なので自分の力を発揮できるように頑張りたい」と意気込み、英単語帳をめくっていた県立高校3年の女子生徒(18)は「コロナに感染しないようなるべく人に会わず外出も控え、この日のためにずっと努力してきた。今日の体調は万全。普段通りの力を出すだけ」と話していた。

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