Rソックス・ベニンテンディ トレード確実から一転、残留も

先週のうちにトレードが成立することが確実視されていたアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)だが、思うようにトレード交渉は進展していないようだ。地元紙「ボストン・グローブ」のアレックス・スパイアーは「レッドソックスはトレード交渉において、対価の面で合意に達することができていない」と指摘。さらに「確実ではないが、ベニンテンディが(トレードされずに)ボストンに残る可能性もある」とも伝えている。

今オフは移籍市場の動きが非常にスローペースとなっており、左翼手だけを見てもマーセル・オズーナ、マイケル・ブラントリー、ジョク・ピーダーソンなど多くの有力選手が市場に残っている。各球団はレッドソックスに交換要員を放出することなく、フリーエージェント市場から左翼手を補強できる状況なのだ。

ベニンテンディが過去2年間、成績を落としていることもトレードの障壁になっているとみられる。2018年に打率.290、16本塁打、87打点、21盗塁、OPS.830の好成績を残したベニンテンディだが、2019年は打率.266、13本塁打、68打点、10盗塁、OPS.774と全ての部門で成績が悪化。昨季は故障によりわずか14試合しか出場できなかった(打率.103)。復活を遂げる可能性があるとはいえ、大きな対価を支払いたくないというのが各球団の本音だろう。

スパイアーは「レッドソックスが残り2年しか保有できないベニンテンディを放出して別の外野手を補強する可能性もある」と指摘する。たとえば、ベニンテンディに代わる正左翼手として昨季ナ・リーグで本塁打と打点の二冠に輝いたオズーナを3~4年の長期契約で獲得する可能性もある。そのためにベニンテンディを放出してポジションを空け、あわよくば交換要員として即戦力の投手を獲得したいと考えているようだが、トレード交渉は思うように進んでいないのが実情だ。

レッドソックスにベニンテンディを安売りする意思がない以上、好条件のオファーが届かない限り、ベニンテンディは今季もレッドソックスの一員としてプレーすることになりそうだ。

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