『天空の結婚式』愛し合う2人が結婚する当たり前を、日本の当たり前にしたくなる映画

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 2016年にイタリアの下院議会で同性カップルの結婚に準ずる権利を認めるシビル・ユニオン法が可決されたことを受け、オフ・ブロードウェイのミュージカル『My Big Gay Italian Wedding』を映画化したラブコメです。

 ベルリンで暮らすアントニオは、ゲイのパートナー・パオロにプロポーズして、2人は結婚を決意します。アントニオは、パオロとちょっとおかしな友人たちを連れて故郷に帰ります。息子が男性のフィアンセを連れてきたことに驚きを隠せない一方で、母は息子の結婚を祝福。父親は村長として、「どんな人でも受け入れる」というモットーの下で難民を受け入れたりしているにもかかわらず、息子がゲイであることを受け入れることはできません。そんな夫を見かねた母親は、最高の結婚式を村で挙げる決意をします。

 「マンマ・ミーア」という言葉があるように、お母さんの存在はイタリアでは絶対!と言いますが、息子の結婚を許せない夫に対して、「息子を受け入れない人間はこの家にいりません!」といきなり家から追い出す肝っ玉母さんのおっかなさは最高です! このお母さんの姿からは、人のありのままを大切にする素晴らしさを教えてもらえました。

 それにしても映画の舞台となっているイタリアの観光地チヴィタ・ディ・バニョレージョは本当に素敵で、どこにも行けないコロナ禍ですっかり観光気分。さらにアントニオ役のクリスティアーノ・カッカモが魅力的すぎて、最初の10分間ですっかりメロメロに。キュートな2人を心から応援したくなり、愛し合う2人が結婚するという当たり前が、日本でも当たり前になればいいのになあと心から思いました。★★★★☆(森田真帆)

1月22日から全国順次公開

監督:アレッサンドロ・ジェノベージ

出演:クリスティアーノ・カッカモ、サルバトーレ・エスポジト

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