直木賞受賞の西條奈加氏「もがきながら生きている人を書きたかった」

西條奈加氏

第164回直木賞(日本文学振興会主催)を受賞した西條奈加氏(56)が20日、都内で会見を行った。

西條氏は「心淋(うらさび)し川」(集英社)で受賞。小さくよどんだ川が流れる江戸・千駄木町の心町(うらまち)を舞台とした時代小説だ。

受賞の喜びについて問われると、西條氏は「今はただ緊張をしている。連絡をいただくまではのんきに考えていて、連絡をいただいてから汗が出て来たり、声がうわずったり…という状況」と率直な感想を述べた。

選考委員からは、普遍的な人間関係が描かれているという評価があった。

これについては「私はファンタジー系も書くが、今回はあえて思いきり地に足をつけて。もがきながら生きている人を書きたかった」と語った。

さらに「ある意味地味な作品。もうちょっと滑稽なものも私は書く。私にしてはシリアス。それが評価されたのは驚きもありうれしい」と述べた。

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