手洗い、距離取り… コロナ禍の思い込め浮世絵展 秦野

東海大生が選んだ浮世絵が並ぶ企画展=はだの浮世絵ギャラリー

 新型コロナウイルスの感染拡大でこれまでと異なる生活を余儀なくされている東海大学の学生が選んだ浮世絵の企画展が、神奈川県秦野市平沢の市立図書館にある「はだの浮世絵ギャラリー」で開かれている。外出自粛期間中の思いや収束の願いを込めた39点が並ぶ。24日まで。

 同市と同大学現代教養センター(平塚市)が連携した企画。オンラインで授業が行われた同大の春学期(4~7月)に加藤次直准教授の授業を受講した学生59人が、「コロナ禍」をテーマに同市所蔵の浮世絵1900点から選んだ。

 展示作品には学生が考えたコメントも付けた。江戸の桜の名所に集まる庶民の様子を描いた歌川広重の「江都名所 御殿山遊興」には、「サークルの仲間や友達と花見をしたい」との願いが込められた。

 光源氏が女性と寝床に入る前を描いたと推測される三代歌川豊国の「露福夢妻戸白萩」には、女性と距離を取り手を洗う様子にも見えることから「手洗い、ソーシャルディスタンスが守られている」とユニークな評も添えられた。

 同市文化振興課の担当者は「若者が先入観にとらわれず選んだ。絵師や時代背景など細かいことは気にせず、楽しんで見てもらえれば」と話している。

 入場無料。午前9時~午後7時。問い合わせは同課電話0463(86)6309。

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