隈研吾展開幕 模型や映像通じ仕事や考え理解

隈研吾さんが手掛けた建物の模型や作品に見入る来場者=長崎市、県美術館

 日本を代表する建築家、隈研吾さん(66)の個展が22日、長崎市出島町の県美術館で始まった。建築物の模型や映像などを通して、隈さんの仕事や考えを知ることができる。
 隈さんは1954年神奈川県生まれ。新国立競技場の設計に携わるなど国内外で数多くの建築を手掛けてきた。県内では、県美術館や「ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート」(同市)、「オリーブベイホテル」(西海市)もデザイン。隈さんの父親の家系が大村市にルーツがあり、本県にもゆかりがある。
 同展は、国内3カ所を巡回。昨年高知で開かれ、6月に東京で開催予定。
 同館などが主催する長崎会場には、隈さんの代表作から公共性の高い36の建物の模型や写真パネルなどを展示。「孔」「粒子」「やわらかい」「ななめ」「時間」といった隈さんが考える「5原則」を基に、作品の特徴を紹介。糸を巻き付けたような外観の施設「The Exchange」(オーストラリア)、鉄骨と木の集成材を組み合わせて作った屋根が特徴の「高輪ゲートウェイ駅」(東京)の模型などが並ぶ。
 このほか、普段見ることができない新国立競技場のランプシェード、斜めの吹き抜けが特徴の複合施設「TOYAMAキラリ」(富山市)内のVR(仮想現実)映像などを楽しめる。また、人間以外の視点で都市を見直すリサーチプロジェクト「東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則」に関する映像もある。同展を担当する県美術館学芸専門監の野中明さんは「隈さんの建築に関する考え方を端的に理解してもらえる構成になっている」と話した。
 同展は3月28日まで。観覧料は一般1300円、大学生・70歳以上千円、高校生以下無料。問い合わせは同館(電095.833.2110)。

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