被団協「多くの犠牲者に報告を」 核兵器禁止条約発効記念集会

記念集会であいさつする田中代表委員=衆院第2議員会館

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は22日、核兵器禁止条約発効を記念する集会を東京都内で開き、政府と各政党に条約の署名と批准、国会審議を求める要請書を提出した。
 冒頭、原爆犠牲者らに黙とう。長崎で被爆した田中熙巳代表委員はあいさつで「発効によって核兵器は違法化された。人類史上、歴史の中に明記される日にちになる」と喜び、これまでに亡くなった大勢の被爆者らに対し「廃絶までの半分はもう成し遂げたよ、と報告したい」と話した。
 国連で軍縮担当上級代表を務める中満泉事務次長がビデオメッセージを寄せ「条約は広島と長崎の悲劇を決して繰り返さないという新たな決意の象徴」と語った。
 外務省や各政党からも出席。同省の本清耕造軍縮不拡散・科学部長は「条約に署名する考えはないが、立場の異なる国々の橋渡し役を務めたい」と従来の主張を繰り返した。国民民主を代表して出席した西岡秀子衆院議員=長崎1区=は「核兵器が悲惨で、なくさないといけないということが国際規範の中で明確にされた」と語り、国会で議論していく重要性などを訴えた。
 被団協が呼び掛け、全ての国・地域に条約批准などを求めた「ヒバクシャ国際署名」は昨年12月末までに国内外で計1370万2345筆が集まり、目録が国連本部に提出された。

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