119番通報、スマホ画面で迅速に 川崎市消防局が2月導入

「Net119」の操作画面(川崎市消防局提供)

 川崎市消防局は2月1日、音声での通話が困難な聴覚障害者らの不安を解消しようと、「Net119緊急通報システム」の運用を始める。スマートフォンやタブレット端末を活用して素早く通報する仕組みで、人命救助の迅速化に役立てるのが狙いだ。

 通報時は端末の画面に示される「救急」「火事」「その他」のいずれかを選び、現在地は「自宅」「外出先」を選択する。場所を選ぶと衛星利用測位システム(GPS)で位置情報を伝え、通報後もチャットで消防局員と連絡できるほか、専用URLから火災現場の写真などが送信できる。対象は市内在住・在勤・在学の、聴覚や言語機能障害者ら。ウェブか窓口で登録すれば無料で利用できる。

 市は2009年3月にオンラインの「WEB119」を全国に先駆けて導入したが、通報内容を文字入力する必要などがあり、市内の聴覚障害者3285人(19年3月末時点)のうち登録者は143人(今月21日時点)にとどまっていた。

 市消防局指令課は「救急隊を迅速に現場に向かわせ、人命を救うことにつながる。コロナ禍で説明会の開催は難しいが、登録者の増加に努めたい」としている。問い合わせは、同課電話044(223)1199。

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