珍しいヤンキースとRソックスのトレード 地区制導入後6度だけ

ヤンキースとレッドソックスのトレードといえば、レッドソックスが10万ドルと引き換えにベーブ・ルースをヤンキースへ放出したトレードがあまりにも有名だが、宿命のライバル同士のトレードはそれほど多くない。日本時間1月26日、ヤンキースのアダム・オッタビーノがレッドソックスへ移籍するトレードが成立したが、両球団のあいだでトレードが成立するのは7年ぶり。1969年の地区制導入以降ではわずか6度目のことである。

ヤンキースとレッドソックスによる前回のトレードは2014年7月。このときはヤンキースがケリー・ジョンソンを放出し、レッドソックスからスティーブン・ドリューと金銭を獲得した。これが21世紀に入ってから初めてのトレードで、1997年以来17年ぶりだった。なお、ジョンソンは1ヶ月後にオリオールズへトレードされ、2011~14年の4年間のあいだにアメリカン・リーグ東部地区の全5球団でプレーするという珍記録(?)を達成している。

現時点で最後の球団拡張によりダイヤモンドバックスとデビルレイズ(現レイズ)が誕生して現行の30球団制となったのが1998年。その前年の1997年8月には、両球団のあいだで2対2のトレードが成立し、これが20世紀最後のトレードとなった。ヤンキースはランディ・ブラウンとマイク・スタンリー、レッドソックスはトニー・アーマスとジム・メシーアを獲得。4ヶ月後、レッドソックスはエクスポズからペドロ・マルティネスを獲得したトレードの後日指名選手としてアーマスを放出した。

1994年9月(ストライキ中)にはメジャー通算57勝のスコット・バンクヘッドが金銭トレードでレッドソックスからヤンキースへ移籍しているが、その前の2件のトレードはいずれも大物選手が含まれていた。1986年3月、ヤンキースはドン・ベイラーを放出してマイク・イースラーを獲得。ベイラーは31本塁打94打点をマークしてレッドソックスのリーグ優勝に貢献し、イースラーも打率.302、14本塁打、OPS.811とまずまずの活躍。イースラーは1988~89年に日本ハムでもプレーした。

1972年3月のトレードでは、ヤンキースがダニー・ケイターとマリオ・ゲレーロの2選手を放出してスパーキー・ライルを獲得。ライルはヤンキースのリリーフエースとして活躍し、7年間で57勝40敗141セーブ、防御率2.41を記録してオールスター・ゲームに3度選出されたほか、1977年にはサイ・ヤング賞を受賞。これが1969年の地区制導入後、両球団のあいだで成立した最初のトレードだった。

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