西武・山川がドラ1・渡部に説いた本塁打力学「大谷は長さ、俺らは重さで飛ばす」

日本ハム時代の大谷(奥)と談笑する西武・山川(手前左)と森(手前右は森。2016年8月撮影)

2年ぶりの本塁打王奪回を目指す西武・山川穂高内野手(29)が26日、リモート会見に臨み、持論とする〝本塁打における長さと重さの相関関係〟を語った。

沖縄での自主トレを打ち上げ、メットライフドームに隣接する球団施設での自主トレを公開した山川。昨年8月に痛めた右足首の状態は「70~80%」といい、B班からスタートする8年目のキャンプを「今年はちょっとだけのんびりやってみたい。足と相談しながら、開幕で100%になるようにやっていきたい」とこれまでと違い慎重に踏み出すことを語った。

打撃に関し、確実性を求めステップを小さくしていた昨年同時期から一転。昨季終盤から元のフォームに戻していた山川は「打ちやすいところに戻した。足も上げているし、今はホームランを一番打てるフォームにしている。打率は2割8分ぐらいでもいい。最低でも40本打てるフォームにしているつもり」と遠回りした結果、気付いた原点回帰に決意を新たにした。

一方で、この日は注目のドラフト1位・渡部健人内野手(22=桐蔭横浜大)ともグラウンドであいさつを交わした。

山川はその印象を「(体が)パンパンに張っていていい太り方だと思う。打撃は見たことがないけど、ノックを見る限りグラブさばきも足さばきもいい。(今のまま)痩せなくてもいいのではないか」と118キロの体を操れている渡部に安易な減量は逆効果となる可能性を指摘した。

というのも山川には以前から語るこんな持論があるからだ。

「バッティングは長さか重さのどちらかで飛ばすしかない。僕たちみたいに背がないと重さで飛ばすしかない。重ければ重いほどいいんですよね。ケガをしないのであればボクも120~130キロほしい。重ければ思うほど絶対に飛ぶから。彼がその重さで僕らに勝ってスピードを出せるなら、ボクより多分飛ぶと思う。身長が高い大谷みたいにデカくて手のリーチで飛ばすか、小さくても重さで飛ばすかのどちらかですね」

2018年シーズンからメジャーに移籍したエンゼルス・大谷に対し「今(パ・リーグに)いたら絶対に勝てない」と断言する山川はその根拠となる〝リーチ論〟についてこう説明している。

「ボク(176センチ)と大谷(193センチ)って身長が17センチ違うんですよ。手を左右に伸ばしたリーチが17センチ違う。単純に向こうは17センチ分の高さと遠心力が使えて、さらにバットを持っている。それをあれだけうまく体を使われたら勝てないです。大谷がもし、今も日本にいて143試合に野手としてフル出場しボクみたいに全打席ホームランを狙ったら60本以上行くと思う」

同一シーズンの中で打者として打率3割2分2厘、22本塁打、67打点、投手として10勝4敗、防御率1・86をマークしたスーパー二刀流・大谷がパ・リーグを去り山川、森の時代が到来した。

逆立ちしても勝てない「長さ」の大谷(193センチ)に対抗する中村(175センチ)、山川(176センチ)、渡部(176センチ)に共通する武器は質量。その「重さ」で勝負する超新星に本塁打の力学を山川は分かりやすく説明したようだ。

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