<ブレーク盤>7ORDER『ONE』爽やか、そしてしなやか

 2019年5月に始動した安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、森田美勇人、萩谷慧悟、阿部顕嵐、長妻怜央による7人組のメジャー1stアルバム。アイドル系事務所を辞めると、ワイルドな方向に突き進む人も多い中で、彼らの音楽は徹底して爽やか、そしてしなやかだ。

 全15曲は、軽快なギターインストから始まり、青空を想起させるダンスポップスの『LIFE』、ラップを取り入れたエレクトロポップスの『Make it true』、そして王子様系のアイドルポップスの『GIRL』など多彩な曲が並んでいるが、セルフプロデュースゆえか、どれも彼ららしさで上手くまとまっている。海外トレンドを取り入れた4つ打ちの『Perfect』は、舞台経験を積んだためか言葉がはっきり聴こえることでJ-POPらしく仕上がっているし、真田が詞曲を手がけたダンサブルな『Sabaoflower』も、幸せや奇跡で自分たちの色を乗せようという歌詞が印象的だし、歌声から彼らの想いも伝わってくる。

 さらに、ギターとリズムのループだけで歌う『Rest of my life』も気負わず自然体だし、ハードロック調の『Break it』もぶち壊すことより前進することをイメージさせ、20代だからこそ尖り過ぎず、落ち着き過ぎず歌えている。後半の楽曲を多数手がけるMusic Junctionという作家も、彼ららしさを引き出すキーマンだと思った。

 いつかV6やA.B.C-Zとの共演などあれば相乗効果がありそうなほど、音楽的に面白い存在だ。本作を聴けば、大人と子どもの間、管理職と新人の間など、中間的な存在だからこそ発揮できる能力に自信が持てるはず。

(日本コロムビア・CD通常盤 3000円+税)=臼井孝

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