ソフトバンク・柳田〝崩され弾〟増発に燃える「芯で捉えて角度よければワンチャンある」

ソフトバンク・柳田

ソフトバンクの主砲・柳田悠岐外野手(32)が今季も確信的〝崩され弾〟を頻発させる。27日、福岡・筑後市のファーム施設で自主トレを公開。プロ11年目を迎える球界屈指のスラッガーは「とにかくバッティング。打ってナンボ」と、打棒の進化に愚直に挑んでいる。

室内練習場におなじみの声が響き渡った。「んぐぁー!」「んあー!」。フリー打撃で鋭い打球がネットに突き刺さると、気持ちよさそうに汗を拭った。「ホームランになる角度をどれだけ確率よく持っていけるか。(具体的数字で)何度とかではなくて、そこは感覚っす。感覚は分かっているんで、イメージ通り操作できるか」。バットの入れ方、体全体の使い方、足の使い方などを意識して一心不乱に振り込んだ。「それが永遠のテーマ。ずっと考えてやっている」と、永遠の野球小僧は楽しそうに笑った。

その感覚は、もはや柳田だけが達した境地なのかもしれない。周囲を驚愕させるアーチも、超人にとっては必然だ。大きく体勢を崩されながらスタンドに放り込む一発は、いまや代名詞となりつつある。昨季は現役通算224勝の工藤公康監督(57)が、一野球人として興奮の余り自軍選手にも関わらず「素直にショックです」「理解できません」と驚愕した本塁打を何度も見舞った。ファンの間からも〝変態打ち〟といった表現で畏敬の念を示されている。

だが、柳田は何食わぬ顔で言う。「タイミングを崩されても、芯で捉えて角度さえよければワンチャンある」。永遠のテーマの神髄に近づくにつれ、〝崩され弾〟は増えていく。まさに進化の証。超人がさらに先へと突き進む。

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