【大相撲】芝田山広報部長 3月場所の会場変更に「国技館並みの感染対策は困難」

芝田山広報部長

日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で理事会を開き、大相撲3月場所(3月14日初日)は例年の大阪ではなく、東京・両国国技館へ会場を変更して開催することを決定した。新型コロナウイルスの国内での感染状況を考慮した。

この日、電話取材に応じた芝田山広報部長(58=元横綱大乃国)は会場変更について「感染症の先生も(実際に)足を運んでいるが『国技館並みの感染対策は非常に困難を要するだろう』と。それからコロナ禍で宿舎を確保できない部屋が出てくる可能性があり、宿舎を貸していただく方との共用、接触も危惧している」と説明した。

番付発表を東京で行い、本場所直前に大阪入りする案もあったが「基礎疾患があって重症化リスクの高い力士が感染しても、入院が困難な可能性がある」と指摘したように、リスクは少なくない。

また、緊急事態宣言についても「2月7日までだが、いっぺんに解除になる可能性は低いんじゃないか」とした上で「準備するリミットもあれば、今の感染状況、会場、宿舎の感染対策など積み重なり、それら相対的に考えたら今年は(大阪開催は)難しいということになった」と語った。

大相撲の地方場所は昨年3月、大阪で史上初の無観客で開催。7月の名古屋場所、11月の九州場所(福岡)は東京で開催された。相撲協会は3月場所から1年ぶりに地方場所を再開する方針だったが、新型コロナの影響で困難と判断。これで東京での開催は、昨年7月場所から5場所連続となる。

また、協会は東京五輪開催のため夏巡業を中止することを発表した。

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