舘ひろし「天国にいる渡哲也さんに見てもらいたかった」 一瞬目頭を押さえ 「ヤクザと家族」で組長役

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「ヤクザと家族 The Family」の初日舞台あいさつが29日に行われ、綾野剛、舘ひろし、磯村勇斗、小宮山莉渚、藤井道人監督が登壇。作品などについて語った。

SNSなどでの高評価の声を聞いた主演の綾野は、「(確かに)大傑作だと言われるし、集大成なのは間違いない。最愛の作品です」「客観的な言葉を聞いて(自分が映画に込めた)愛を受け取ってもらえたという感覚になった。受け取ってもらえることが全てだし、渡しに行かなくても出会いにきてくれた、今の時代にただフィットしただけじゃないものがあると思うと、映画という家族に愛されて気がしている」と、喜びを表現した。

登壇したキャストが演じた役が“意思を継ぎ、つなぐ”役どころであることから、「継承」をテーマにトークが繰り広げられた。綾野は舘に対し、たたずまいだけで物語を語れるその偉大さに羨望の目を向け、実は舘からもらったスーツを今着ていることを明かした。綾野の弟分を演じた磯村は、綾野のことを「チャーミングで愛おしい兄貴」と語り、綾野演じる“ケン兄”との関係がきちんと出来上がっていたからラストの重要なシーンが成立したと、綾野に感謝を述べた。

最後に、この映画を見て欲しい人について聞かれると、綾野は「今やっている作品の仲間」、磯村は「一人でも多くの人に見てもらいたいからみなさん」、小宮山は「家族」、藤井監督は「会社の仲間」と答えた。ヤクザの組長を演じた舘は、一瞬目頭を押さえて「やっぱり天国にいる渡哲也さん」と回答。「いつも褒めて、自信をつけてくれたから、今回も褒めてくれた気がする」と語り、舘にとっての渡哲也がかけがえのない存在であることを感じさせた。

「ヤクザと家族 The Family」は、1999 年、2005 年、2019 年の変わりゆく3つの時代を舞台に、ヤクザとして生きる道を選んだ男の物語が展開される作品。ヤクザの主人公・山本を綾野剛が演じている。また、山本に手を差し伸べるヤクザの組長・柴咲を、ヤクザ役が43 年ぶりとなる舘ひろしが演じている。他には、尾野真千子、寺島しのぶらが出演している。監督は、第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した「新聞記者」の藤井道人が務めている。

ヤクザと家族 The Family
2021年1月29日(金) 全国公開
配給:スターサンズ/KADOKAWA
©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会

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