ヘイダーに莫大な対価を求めるブリュワーズ トレード成立は困難か

ブリュワーズは依然としてクローザーの左腕ジョシュ・ヘイダーの放出を検討しているが、「FanSided」のロバート・マレーによると、莫大な対価を求め続けているという。具体的には「即戦力のメジャーリーガーとプロスペクトの左腕」の獲得を希望しているようだ。ブリュワーズの要求に応じるチームはないとみられており、あるチームの幹部は「(ヘイダーを放出したいのであれば)時間を無駄にしてはいけない」とまで発言している。

現在26歳のヘイダーは、すでにブリュワーズとの年俸調停を回避して年俸667万5000ドルの1年契約を結んでいる。ブリュワーズはヘイダーがフリーエージェントになるまで今季を含めてあと3年保有できることができるため、ヘイダーの実力と保有可能期間に見合った対価を求めているのだが、他球団にとっては要求されている対価のレベルが高すぎる状況が続いており、このままではトレード成立は困難とみられる。

ヘイダーはメジャー4年間で通算172試合に登板して12勝11敗62セーブ、39ホールド、防御率2.54、奪三振率15.29を記録。昨季は自身初となる最多セーブのタイトルを獲得し、オールスター・ゲーム選出2度(2018~19年)、トレバー・ホフマン賞2度(2018~19年)、「オールMLB」ファースト・チーム選出1度(2019年)など、メジャーを代表するリリーバーとして素晴らしい活躍を続けている。

ブリュワーズは絶対的守護神を価値の高いうちに放出し、メジャー最低レベルのファーム組織を改善したいと考えている。そのため、ヘイダーが抜ける穴をカバーする即戦力のメジャーリーガーとチームの将来を担う若手有望株を求めているのだが、この要求に応じるチームは現れていない。ブリュワーズが高望みを続けているうちにヘイダーが勤続疲労で劣化してしまう可能性もあり、冒頭の幹部の発言はそうしたリスクも考慮に入れたものなのだろう。

ブリュワーズが本当にヘイダーのトレードを成立させたいのであれば、市場の状況に合わせて要求する対価のレベルを調整していく必要がありそうだ。

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