広島「明るくも厳しいキャンプ」の背景に容赦なき佐々岡イズム

厳しく目を光らせる佐々岡監督

広島が明るくも厳しいキャンプを送っている。2日の沖縄・コザしんきんスタジアムでの春季キャンプでは早出練習がスタート。中村奨成捕手(21)ら若手組が朝一番から特打、特守で汗を流した。

必死にボールを追いながらもナインは声を張り上げた。佐々岡真司監督(53)が「お客さんに見てはもらえないが、しっかり元気よく明るくやっていこう」と通達しているからだが、それだけではない。

一軍当確と見られていた小園海斗内野手(20)の二軍スタートによる緊張感の効果もある。「今回は投手も野手も若手が多いが、全員が一軍にいられるわけではない。若々しさや元気がないと見られれば、すぐに二軍行きの対象となる。若手は必死にやるしかない」(チーム関係者)。アピール合戦のなかでの覇気不足は命取りになるのだ。

実際、指揮官が視察した昨年11月のフェニックス・リーグでは小園が覇気なしと判断され、今キャンプはプロ入り3年目にして初の二軍スタート。「ここから這い上がれるかどうか。腐らず意地を見せろ!」と潜在能力の高い小園の奮起を促すための愛のムチとなったが、現在一軍にいる若手ナインにとっても決して他人事ではない。

「若手がどれだけチャンスをつかめるか。悪ければ入れ替えがあるというのは選手に伝えている」という佐々岡監督。今後も厳しい態度で目を光らせていく。

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