井納FA巨人入りで〝全国区の宇宙人〟に!

巨人で井納の〝本領〟が発揮される?

新天地で再ブレークなるか。DeNAから巨人にFA移籍した井納翔一投手(34)が3日に初めてブルペン入りした。先発ローテーションの一角を期待される右腕ながら、その独特なキャラクターも注目の的。近年の球団は選手のプロデュースにも力を入れており、FA右腕が横浜の枠を飛び出し、〝日本の宇宙人〟に昇華する可能性を秘めている。

新たな本拠地で、一段と気合が入ってきた。井納は宮崎キャンプ中の一軍本隊とは別の「S班」でスタート。この日は東京ドームのブルペンで移籍後初めて投球練習を行い「東京ドームのブルペンはやはり気持ちが入りますね」と胸の高ぶりを隠せなかった。

2年総額2億円(推定)で今オフにFA加入。原監督からは先発ローテの一角として「200イニング近く投げてもらう」と大きな期待をかけられるとともに、球界屈指の人気球団である巨人では否応なしに環境が激変する。そこで「井納が巨人で活躍することが大前提だけど」とした球界関係者は「DeNAのファンも年々増えているけど、巨人はやはり規模が違う。本当の意味で〝全国区の宇宙人〟になれるんじゃないか?」と語った。

井納の摩訶不思議にも映る言動の数々でDeNAファンの間では「宇宙人キャラ」が定着。ただ、井納の今季の成績次第ではさらに大化けすることも考えられる。というのも、現在の球団は「野球人口の増加」を最終目的地とし、野球ファン以外の層を取り込むべく、選手の売り出しに力を入れているからだ。

公式SNSでの情報発信だけでなく、お茶の間にも届くようにバラエティー番組にも積極的に進出。その背景には2019年6月に着任した今村社長の存在がある。かつて在籍した日本テレビでは「ザ!鉄腕!DASH!!」や人気ドラマ「家政婦のミタ」など人気番組を手がけ、主将・坂本を「はごろもフーズ」のCM起用も実現させた。

また、選手たちにとって本業である野球に打ち込むことは当然として、個々の〝キャラ立ち〟を求めたこともある。例えば、現役時代の阿部二軍監督がお立ち台で発していた「サイコ~で~す!!」といった決めゼリフや、「燃える闘魂=アントニオ猪木」といった代名詞を選手個々に考えさせようと発案してみたり…。それだけ、球界内にとどまらない広い視野を持つことにも重点を置いている。

その点、井納の潜在能力は計り知れない。巨人移籍後にバラエティー番組に出演し、DeNA時代に2年連続の減俸となった影響で、購入した愛車の月30万円の36回ローンを支払えず売却したことや、自宅を35年ローンで購入した際の頭金の額や月額20万円である井納家の金銭事情まで洗いざらい告白。〝宇宙人ぶり〟は健在で巨人で活躍し、球団の後押しがあれば、人気に火がつく可能性は十分ある。

当の井納は環境の変化について「日本シリーズに出た時もメディアの人は多かったので。精神的にも動揺しないと思います」と気にする素振りもなかったが…。予測不能の右腕はどんな活躍をみせられるのか、注目だ。

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