広島ドラ1・栗林「焦りは禁物」 新人らしからぬ〝牛歩調整〟のウラ事情

ブルペン投球後、会沢(右)の助言を受ける広島・栗林

広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)が「焦りは禁物」の言葉を胸に調整を重ねている。

黄金ルーキーは第1クール最終日となった4日に今キャンプ2度目のブルペン入り。会沢を相手に変化球を交えて44球を投げ「会沢さんということで、いつもの倍くらいの緊張感をもって1球1球大切に投げられた」と振り返った。

この日は先輩の九里が347球もの投げ込みを行い、同期のドラフト2位・森浦大輔投手(22=天理大)とドラフト3位・大道温貴投手(22=八戸学院大)が揃ってフリー打撃に登板し猛アピール。それに比べれば栗林はスロー調整にも見えるが、周囲の忠告を聞き入れてのペース配分だという。

「もちろん周りは気になりますし、自分ももっと投げたいという気持ちもある。ただ、鈴木誠也さんや森下(暢仁)から『本当に焦らない方がいい』と言われるので。みんなが言ってくださるので、自分一人で焦ってもしょうがないなと」とあえてセーブしている。

首脳陣ばかりかナインまでもが必死にブレーキをかけるのは、栗林が今季の投手陣にとって重要な存在だから。守護神のフランスアが母国のドミニカ共和国で新型コロナウイルスに感染した影響から出遅れ必至。そのため「先発、中継ぎにこだわりはない」と働き場所を選ばない実力十分のルーキー右腕は、すでに欠かせない戦力なのだ。

栗林は第2クールで打撃投手を務める予定。〝牛歩調整〟で開幕を見据えている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社