阪神・井上広大に矢野監督が密着指導のワケ「小さくなっているな、と」

井上(左)を指導する矢野監督

佐藤輝だけじゃない! もう一人の和製大砲候補も忘れるな――。

阪神・井上広大外野手(19)が6日、春季沖縄キャンプで矢野監督から直々に約1時間の〝密着指導〟を受けた。

この日の午後に行われた打撃練習で指揮官は背番号32を徹底マーク。他の選手たちにはほとんど目もくれず(!?)井上の打撃練習を注視しアドバイスを送り続けた。フリー打撃中のケージの外から、ティー打撃をする真横から、果てはファールゾーンで素振りをする最中にまで密着し、身振り手振りも含めながらの熱血指導。矢野監督は「スケールのデカいホームランバッターになってほしいからね。打球の角度が勝手についてくるような打撃をしてほしいんだけど(打撃フォームが)小さくなっているなと思ったんでね」と指導の意図を説明。

「今の段階で井上に必要なのは『速い球にいかについていけるか』ということ。配球の読みとか変化球への対応とかは順番的にはまだ後かなと。まずはストレートを自分の思っているポイントで捉えることが必要。そういう話をした」。(矢野監督)

井上は昨季、高卒1年目ながら天性の長打力を買われ一軍昇格。6試合に出場しプロ初安打初打点もマークした。首脳陣からの期待も高く、今年は同期入団の西純とともに一軍キャンプメンバーにも抜擢された。現在はドラフト1位ルーキーの佐藤輝明内野手(21=近大)ばかりに注目が集まりがちだが、井上もまた着々と若返りを果たす新生猛虎を象徴する選手だ。

やがて大輪の花を咲かすべく、選手に寄り添いながら今は焦らず伸び伸び育てる。矢野監督らしさがよく表れた早春のワンシーンだった。

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