平戸・川内峠で野焼き 草原に燃え広がる炎 壮大

春の訪れを告げる野焼きがあり、燃え広がる炎が枯れ草を瞬く間に焼き尽くした=7日、平戸市の川内峠

 長崎県平戸市に春の訪れを告げる川内峠の野焼きが7日あり、標高約260メートルの草原約30ヘクタールを壮大な炎が覆った。
 川内峠は平戸島北部にあり、360度の眺望が広がる平戸屈指の観光スポット。草原はかつて、牛の放牧、かやぶき屋根の材料を確保する場として大野、大山、木引、川内在の4集落が管理していた。
 野焼きは防火と飼料用牧草育成、景観維持などが目的。4集落の関係者、市、市消防本部担当者ら約150人が参加し、年に1回実施している。この日は午前9時ごろ、峠の南側で点火。枯れたカヤ、ススキなどが「パチパチ」と音をたてて燃え広がった。
 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般公開を取りやめ、峠への立ち入りを一時禁止した。
 長年、野焼きに携わる川内生産森林組合長の川上義一さん(82)は「無事に終わって良かった。そろそろ若い世代に引き継いでいきたい」と話した。


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