【マラソン】瀬古利彦氏が五輪代表勢の不調を心配「まだやり直すことができる」

瀬古利彦プロジェクトリーダー

日本陸上連盟の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(64)が9日、「びわ湖毎日マラソン」(28日、滋賀・皇子山陸上競技場発着)のリモート会見に出席し、東京五輪代表選手の相次ぐ不調を心配した。

大会には東京五輪男子子マラソン代表の中村匠吾(28=富士通)がエントリーしているが、「(元日の)ニューイヤー駅伝後、体調を崩して万全ではないと聞いている。五輪前に1回はマラソンを走りたいということで走るが、あまり期待しないでほしい。狙うのは五輪なので、ここで体調を悪くしたら本末転倒」と異例のお願いを口にした。

中村は先月6~16日まで奄美大島で合宿を張ったが、疲れが抜けきらず、本格的な練習ができない状態が続いたという。瀬古氏は「彼の力からすると、3~4割くらいの体調」と説明した。

また、他の代表選手についても「(昨年12月の)福岡(国際マラソン)で期待した服部(勇馬=26、トヨタ自動車)君もケガで出られなかった。(先月31日の)大阪国際女子マラソンで一山(麻緒)選手、前田(穂南)選手も日本記録を期待していたが、12月前後の練習で体調を悪くしたり、ケガをしたりということが続いている」と語った。

瀬古氏は「五輪が1年延期になって、緊張感が続いて目に見えない疲れもあると思う。そこにコロナがきて、走ること以外のストレスを発散もできない」と原因を分析。改めてコンディション維持の難しさが浮き彫りとなっている。

ただ、同氏は「まだ五輪まで半年あるのでやり直すことができる」と前向きなコメントも残した。代表選手は本番をマックスの状態で迎えられるのか。

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