JR武蔵中原駅が受験生応援 駅員の手作りメッセージ、ネットで反響

駅構内に並ぶ受験生への応援メッセージを紹介する福重さん=JR南武線武蔵中原駅

 「輝く未来に出発進行!」。受験シーズン本番を迎えた受験生にエールを送ろうと、JR南武線武蔵中原駅に応援メッセージがずらりと並んでいる。新型コロナウイルスの影響で学校に行けず、友だちにも会えずに勉強に励む中高生らを温かい言葉で激励。25人の駅員が手作りのカードに思いを込め、合格を祈願している。

 人口増が続く川崎市中原区にあり、中学生や高校生の利用が多いという同駅。駅員の福重翔斗さん(29)=大磯町出身=が、コロナの影響で日常が変化する中で「言葉が心の支えになれば」と発案した。高校3年のとき、受験生を励ます掲示物を県内の駅で目にして不安と緊張が和らいだ感激が忘れられず、「今度は自分たちが」と同駅初の応援企画を立ち上げた。

 制服姿でポーズを取る男女の駅員25人の写真を1月に撮影。1人1人から受験生へのメッセージを聴き取り、桜のイラストを描いたカードに印刷した。「壁があったら乗り越えればいい」「平常心で乗り切ろう!」「自分の力を出し切って!」─。大学入学共通テスト前日の1月15日、駅構内の壁に並べた。

 季節限定の粋な計らいに、インターネットでは「素敵(すてき)ですね。受験生が持てる力を存分に発揮できることを祈念しています」「受験生が少しでも元気づけられたり、気持ちを落ち着けたりする瞬間になればよいですね」といったコメントが寄せられている。

 松本綾(りょう)駅長(45)は「人と人との関わりが失われてきている中、受験生へ思いが伝わり、応援になれば」。福重さんは「受験生はコロナの影響で不安だと思うが、展示を見て『最後の1秒まであきらめずに頑張ろう』と思ってほしい」と願っている。展示は28日までの予定。

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