五輪延期で追加30億円に 神奈川県予算案、事前キャンプで検査も

神奈川県庁

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で今夏に延期となった東京五輪・パラリンピックに向け、神奈川県は2021年度一般会計当初予算案に「大会成功に向けた取り組み」の関連事業費42億9100万円を計上した。

 大会の延期に伴い、県は20年度6月補正予算で減額補正しており、21年度当初予算案で新たに措置した。延期による追加費用は20年度執行分を含め約30億円に上った。

 事前キャンプでのPCR検査などのコロナ対策に約20億円を盛り込んだ。国の交付金による基金を活用し、選手が安心してコンディション調整できる環境を新たに整備。感染予防に配慮した練習見学会やオンラインでの文化交流など、「新しい生活様式」を踏まえた交流事業も展開する。

 セーリング競技会場となる江の島(藤沢市)の湘南港にある既存艇の移動などに約8億円、防犯カメラの回線料や警察が使う施設借上料などの期間延長に伴う増額として約9千万円を計上した。

 このほか、大会を契機に進めるスポーツ施策として、県立武道館(横浜市港北区)の老朽化対策改修工事と冷暖房設備工事の基本・実施設計を行う。

© 株式会社神奈川新聞社