瀬々敬久監督「こんな時代だからこそ”世直しじゃー!”なのだ」 3月6日より特集上映開催

現代群盗伝

昨年劇場公開された映画「糸」を手掛け、「明日の食卓」「護られなかった者たちへ」「とんび」の公開待機作を控える瀬々敬久監督の特集上映が、3月6日から12日まで東京・新宿のK's cinemaで開催される。「世直しじゃー!! ―こんな時代に瀬々敬久特集―」と題し、「ヘヴンズ ストーリー」「菊とギロチン」を含めたインディーズ系11作品を上映する。

初のDCP上映となる「ヘヴンズ ストーリー」やアナーキストと女相撲を題材にした「菊とギロチン」のほか、「現代群盗伝」「End of The World」などピンク映画時代の5作品も上映される。さらに、瀬々監督の原風景ともいえる8mm作品「少年版私慕情」、性同一性障害を描く「ユダ」、つげ忠男作品の映画化「なりゆきな魂、」、瀬々監督がプロデュースした「石巻市立湊小学校避難所」(監督:藤川佳三)も上映される。

特集上映の開催に際し、瀬々監督のコメントも公開された。瀬々監督は、「たとえ身を窶(やつ)していても、映画にはまだまだ”変える力”があるのだ、そう思っている。回顧することなく、現在形として。今、こんな時代だからこそ”世直しじゃー!”なのだ」と、映画の持つ力への思いを明かしている。

■瀬々敬久監督 コメント
若い頃、70 年代の終わりから 80 年代初頭にかけ自主映画とピンク映画で次々と若い監督たちが新しい映画を作っていた。映画が何かを変えるのだと思った。そこには「変革」があるのだと思った。自分も同じ旗を振りたいと思った。その頃読んで夢中になったのが「秩父事件」(井上幸治)、東アジア反日武装戦線について書かれた「狼煙を見よ」(松下竜一)。「明治の圧政政府」や「国家の暴力」に抵抗した人々の話だ。90 年代にピンク映画でそれらをモチーフにした。一方で 90 年代は新しい犯罪の時代だった。「人が人を殺す」ということを描いた。0 年代になって「ヘヴンズ ストーリー」を自主で作り、その問題を掘り下げようとした。10 年代は「菊とギロチン」で再び「変革」について考えた。
たとえ身を窶(やつ)していても、映画にはまだまだ「変える力」があるのだ、そう思っている。回顧することなく、現在形として。 今、こんな時代だからこそ「世直しじゃー!」なのだ。

世直しじゃー!! ―こんな時代に瀬々敬久特集―
開催期間:2021年3月6日(土)~12 日(金)
会場:新宿 K’s cinema プログラム詳細は劇場HPにて
料金 1,300 円均一(シニア 1,000 円)
※「ヘヴンズ ストーリー」は 2,000 円、「菊とギロチン」は 1,500 円の特別料金
◆トークイベント
・全日 瀬々監督登壇
3/6(土)12:30~「ヘヴンズ ストーリー」上映後:山崎ハコ
3/7(日)14:30~「菊とギロチン」上映後:木竜麻生
3/8(月)16:20~「End of the World」上映後:川瀬陽太(予定)
3/9(火)15:30~「なりゆきな魂、」上映後:ゲスト未定
3/10(水)12:30~ 「ヘヴンズ ストーリー」上映後:ゲスト未定
3/11(木)13:00~「石巻市立湊小学校避難所」上映後:藤川佳三監督(石巻市からリモート)
3/12(金)14:30~「菊とギロチン」上映後: ゲスト未定
※トークイベントおよびゲストは事情により変更の場合あり。更新情報は劇場 HP にて。

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