【全豪OP】3回戦進出の大坂なおみ メンタル充実「部屋では動画を見ています」

圧勝した大坂はメンタルも充実(ロイター)

手がつけられない強さだ。女子テニスの世界ランキング3位・大坂なおみ(23=日清食品)が全豪オープン(10日、メルボルン)の2回戦で同43位のカロリーヌ・ガルシア(27=フランス)に6―2、6―3で撃破。わずか1時間1分、一度もブレークされずに圧勝した。

序盤から最大の武器でもあるビッグサーブが炸裂。最速195キロのサーブで計10本のサービスエースを決めたばかりか、145キロのセカンドサーブでもエースを奪うなど冴えわたった。その一方でストロークも抜群。終盤には錦織圭(31=日清食品)を彷彿とさせるバックのダウンザラインを連発し、パワーだけでなく技も光った。

プレーもさることながら、最も安定していたのはメンタルだった。これまで4大大会3Vという実績を誇りながら、たった1つのミスをキッカケに調子を崩すのがお決まりのパターン。怒りのあまりラケットを叩きつけ、ふがいない自分に腹が立ってゲーム中に泣きだしたこともあった。周囲からは「脆弱なメンタル」「ノミの心臓」と言われ続けてきたが、昨年の全米オープン制覇のあたりからは別人に生まれ変わっている。

この日も喜怒哀楽を表に出さずに淡々とプレー。相手の快ショットにラケットと手のひらで〝拍手〟してたたえるのはいつも通りだが、試合中にミスしても笑顔で余裕を見せた。第2セットの第3ゲーム、40―0とリードした場面で試したドロップショットが失敗した際も試合中とは思えぬほど柔和な苦笑を浮かべた。

勝利後のオンコートインタビューでは「自分のテニスを心掛け、集中していた」と納得の表情。「部屋(宿舎)では動画を見ている」とコート以外でもリラックスしているようだ。試合後はすぐに恒例のツイッター更新。初戦勝利と同じように「R2」(ラウンド2)の横にチェックを記入し、ファンに「2回戦突破」を速報した。

3回戦の相手は世界27位のオンス・ジャバー(26=チュニジア)。心技体が完璧に揃った一昨年の覇者は「次も頑張ります」と声をはずませた。

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