鷹の巨漢砲 リチャードの〝脱力弾〟に王会長・小久保ヘッドらレジエンドが絶賛

シート打撃で本塁打を放ったソフトバンク・リチャード(右)と松田

ソフトバンクの宮崎春季キャンプは10日、注目の大砲候補・リチャード内野手(21)が豪快な一発を放ち、レジェントたちの度肝を抜いた。

シート打撃で昨季リリーフで活躍した泉の137キロの変化球を左翼席中段まで運んだ。スラッガーらしい打った瞬間わかる弾道。それでも「ちょっと先。今〝思い切り振らないこと〟を意識して練習しているんで、それができた」と胸を張った。かねて目をかけてもらっている王球団会長からは「あれくらいのスイングでも(スタンドまで)いくんだ。いいスイングができているから、これを続けていこう!」と背中を押された。

さらに、この日のアーチをたたえたのが小久保ヘッドコーチだ。昨冬の就任会見で真っ先に名前を挙げて期待をかけたのがこのリチャード。キャンプ初日から「強化指定選手」として熱血指導が続いてきた。技術に加え、体に切れを出すためボクサーさながらの「ミット打ちトレ」を採用。〝一発回答〟に喜びを隠せなかった。リチャードがダイヤモンドを一周する間、三塁側スタンド席に陣取った報道陣に向かって柔和な笑みを浮かべ「書いてええよ。コメント取ったらもう帰ってええよ」と指示。この日のハイライトはココだ――と言わんばかりの〝取材指令〟は、若き大砲候補への最大の賛辞だった。

体重120キロの巨漢スラッガーらしく特大アーチへの欲望はまだ残る。それでも「今は6割程度の力で振っている」と、王会長お墨付きのスイングを体に染み込ませている。「ホームランが一番いい結果なので、いいアピールになったと思う。開幕一軍を目指して頑張ります」。飛躍を誓う4年目。21歳のロマン砲が最高の結果を自信に、信じる道を突き進む。

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