ブルージェイズ・山口俊が事実上の〝戦力外〟 国内復帰も模索の可能性

山口俊

メジャーリーグ(MLB)のブルージェイズが10日(日本時間11日)、山口俊投手(33)をロースター40人枠から外す手続きをとり「DFA」となったことが明らかになった。

MLB公式サイトで随時更新される「トランザクション」によれば、この日、ブルージェイズはレッドソックスからウエーバーにかけられていた3年目の球宴右腕ジョエル・パヤンプス投手(26)を獲得したため、それに伴って山口がロースターから外されたことが記載されている。

山口は昨オフ、巨人から球団初のポスティングシステムでブルージェイズに移籍し、2年総額635万ドル(約6億6700万円)の契約を締結中。だがDFAとなったことで事実上の戦力外になったとみられ、7日以内にトレードされるか、ウエーバー公示されることになる。ウエーバーによる獲得を希望するチームがあれば移籍は成立するが、どこからもオファーがかからない場合は残留してマイナー降格となるか解雇される。

今オフのブルージェイズは積極果敢に戦力補強を行ってきた。メッツとのトレードで先発右腕のスティーブン・マッツ(29)を獲得。これによりロス・ストリップリング(31)が先発からブルペンに回ることになり、新たに獲得したタイラー・チャットウッド(31=カブスからFA)、カービー・イエーツ(33=パドレスからFA)も含めるとロングリリーフ右腕のピースは十分に埋まっていた。この強固な枠組みに山口が現状で入り込む余地はなく、球団側から厳しい断を下された模様だ。

昨季の山口は主にロングリリーフを任され、17試合登板で25・2イニングを投げ、2勝4敗、1ホールド、防御率8・06。昨年9月15日のヤンキース戦では7失点を喫するなどシーズン後半で炎上する場面が目立った。新型コロナウイルスの感染拡大でMLBの移籍市場は例年になく冷え込んでいる現状もあり、山口の移籍先に関してはメジャー関係者の間でも「昨季の不安定な成績も加味すれば、かなり困難なものになるだろう」との声がもっぱらだ。

「ウエーバー公示がダメならマイナー降格からメジャー再昇格を目指す道もあるにはあるが、そこから這い上がるのは年齢面を考えて『絶望的』と言わざるを得ない。そう考えれば当然、国内復帰も模索しなければならなくなる」(ア・リーグ球団スカウト)

山口は現在、キャンプ地のフロリダ州タンパに入っている。果たしてどのような選択をとるのか。早くも岐路に立たされた右腕の今後が注目される。

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