後釜・川淵三郎氏の前途は“いばらの道” 森喜朗氏と変わらない?保守ぶりが批判の的に

川淵三郎氏(左)と森喜朗氏

東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長に日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏(84)が就任する。女性蔑視発言の責任を取って辞任する森喜朗氏(83)の後任となるわけだが、すんなりとはいかない“いばらの道”となりそうだ。

失言で大バッシングされた森氏がいなくなることで、批判の矛先が川淵氏へ向かいつつある。さっそく川淵氏のツイッターの過去のつぶやきが検証され、ネットでは保守的な書き込みがあったとして批判されている。

特に取り上げられているのがこのツイート。

「1ヶ月以上もゆっくり楽しみながら百田尚樹さんの日本国紀を読んだ。(中略)ところが読み始めると興味深い日本の歴史が平易な文章で書かれていて興味が尽きない。昔習った日本史を懐かしく思い出しながら。百田さんの最高の傑作だと思う」(2019年12月5日)

「日本国紀」は保守思想で知られる百田氏の著書で、記述にウィキペディアから多数のコピペが見つかって騒動にもなった。そんな本でをほめていたということで「#川淵さんじゃない」が登場するほど“反川淵派”は盛り上がっている。日本維新の会の音喜多駿参院議員は「早速、左派の方々を中心に、過去の発言を掘り起こして川淵氏の会長就任に反対するハッシュタグ祭りが始まっている…」と困惑のツイートをしている。

一方で保守勢力による「#森喜朗さんありがとう」も出回り、会長後任問題はスポーツを離れて、政治思想をめぐる争いの様相を呈している。

永田町関係者は「もともと五輪・パラリンピックの開催に否定的な人たちはいました。その人たちが勢いづいて、中止の世論が盛り上がってしまうことを懸念しています」と話した。

川淵氏には森氏が火をつけた“反五輪”の世論をポジティブなものに変えるという大仕事が求められている。

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