“天敵”山口敏夫氏が森喜朗ブッタ斬り 石原慎太郎元都知事への土下座も暴露

2016年の都知事選に出馬した山口敏夫氏

元労働相で〝政界の牛若丸〟の異名を取った山口敏夫氏(80)は永田町では、森喜朗氏(83)の天敵で知られる。今回のドタバタ劇をどう見ているのか?

山口氏は2016年の都知事選に立候補し、森氏の東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の資質に問題アリとして、「森氏の追放」を公約に掲げ、組織委の事務所前での街頭演説を敢行したほどだ。

今回に辞任劇に山口氏は「3週間前くらいから(IOCの)バッハ会長が東京五輪の無観客の可能性を言及し始めた。入場料収入の利権がなくなる森氏は投げやりになっていたんじゃないか。だからあのつまらない愚痴が出た」と指摘。そのうえで森氏は「政財界の上に君臨するドンとして、長年、利権をむさぼってきた」と斬る。

山口氏は16年の都知事選前から森氏を追及してきた。森氏が五輪招致に執着する姿の発端は、11年の都知事選にさかのぼるという。

「石原慎太郎都知事が都知事選への出馬を辞めようとした時、五輪開催を望んだ森氏は土下座して、もう1回やってくれと言った。その時に『あなたのせがれ(伸晃氏)を総理大臣にするから』と迫り、慎太郎氏も親バカだから飲んだ」

2012年の総裁選には石原伸晃氏が立候補したものの安倍晋三氏の前に敗れたが、票の差配があったという。

今回の会長辞任を巡っても川淵三郎氏に禅譲する形で、森氏は相談役となって、影響力を残す絵を描いたが、白紙となった。

「すべて密室政治。森氏が首相になった時の5人組や慎太郎の時もそうだが、国民が見れば腰を抜かす。今回、まさか引っ繰り返されるとは思っていなかったのではないか。菅総理は政権の支持率が下がっていく中で、世論に敏感になっている。(ちゃぶ台返しは)菅首相の執念だな」と菅義偉首相の英断を評価した。

山口氏は長年、森氏追放の国民運動を呼びかけていたが、大願成就したともいえる。〝鬼退治〟に成功した山口氏だが「川淵さんはこれまで大きく失敗したことないのに森氏の貧乏神にとりつかれちゃったな」と川淵氏には同情していた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社