巨人・戸根〝トネコバー〟になる! なんでもござれな変則左腕目指す

桑田コーチ(左)からアドバイスを受ける戸根

力を兼ね備えた変則左腕として、確固たる地位を築く。巨人・戸根千明投手(28)が13日、ブルペン投球を行った。

前日12日の一軍昇格後、初となるブルペンで計42球。合間には桑田真澄投手チーフコーチ補佐とメモを見つつ、アドバイスを受けながら丁寧に投じた。

一軍の舞台にかける思いは誰よりも強い。プロ7年目を迎えるも、宮崎春季キャンプは二軍スタート。近年はケガに悩まされ、昨季は一軍、二軍通じ登板なしに終わった。今回の一軍キャンプ昇格を伝えられた際には「誰よりも貪欲にやってきたつもりなので、本当に言葉通りですけど『やっと回ってきたな』という感じで…」と、熱い思いがたぎった。

昨季は、異例の〝二刀流〟に挑戦し、ファームでは野手として出場。打席では自身と同じ左腕らとも対戦したが「対左が嫌なんですよ。変則になればなるほど嫌。球が速くなればなるほどいやだった」と、苦戦を強いられた。そんな経験があるからこそ、自らの個性にも気付かされた。「打者の目線の自分と、投手の目線の自分が合うというか、すごいそれがリンクする部分があった。非常に今後の生きていくだろうと思います」。

目指すは、同じく変則左腕ながら最速154㌔の剛速球を繰り出すDeNA・エスコバーだ。「エスコバーのような投手を目標に、いつでもどこでも、何イニングでも。戸根がおったら安心だなと。『戸根おるからなんとかなりますよ』という投手になっていきたい」。今季は〝トネコバー〟に変化を遂げて、大車輪の活躍を誓う。

© 株式会社東京スポーツ新聞社