ソフトバンク・和田 疲労蓄積も…19日の紅白戦に登板を志願するワケ

和田毅

ソフトバンク宮崎キャンプ第4クール初日の13日、和田毅投手(39)が今キャンプ6度目となるブルペンに入った。

この日は「一番のテーマだった」という正妻・甲斐拓也捕手(28)に受けてもらっての投球。「拓也にどんな感じか見てもらいたかった。でも、今日は僕が全然良くなくてショボかった。良い時に受けてもらいたかったですね」と自虐的なコメントで笑わせた。余裕ある対応に、順調な調整がうかがえる。

この日の球数は84球と体力的にも余力を十分に残しながらのフィニッシュ。「良ければ100球(超える球数を)投げても良かったが、良くなかったので早く終わろうと。そういう時はスパッと終わることも大事なんで」と、ベテランならではの割り切りで調整をしている。

ただ前回まで4回連続で100球を超える投球。周囲に「今年は本当に全然余裕!」と明かすほど状態は良好だ。工藤監督も絶大な信頼を寄せており、開幕までの調整は「彼に任せている」と全て委ねている。

そんなベテラン左腕は19日の紅白戦に登板予定。疲労は蓄積しているが「まだ追い込める時期」とトレーニング量を減らすつもりはない。あえて疲労を抱えマウンドに向かうのは「逆に疲れた状態で投げることも大事だと思っている」からだ。

シーズン中も肉体的疲弊を感じながら上がるマウンドが必ず来る。そうしたシーズン中の戦いを想定しての投球。余裕があるからこそできる調整だ。

ここまでの調整に自信は日々、大きくなっている。昨年の今頃とは違い「開幕投手争い」についても「ゼロではない。全員が狙っていかないといけない場所」と、視野に入れている。

21日に40歳を迎える。「あとは良い状態で来ているので無理をしないこと。もう40歳ということは忘れないように。でも、年齢のことを(深く)考えずに攻めるところは攻めていきたい」。

昨季は8勝1敗の「貯金7」という好成績だったが、規定投球回には遠く及ばなかった。そのため左腕の達成感は少なかった。今季の最大のテーマは「ローテ皆勤」。今年はより一層、背中の「21」が踊っている――。

© 株式会社東京スポーツ新聞社