【全豪OP】大坂 “観客の雑音”をシャットアウト サーブ時に「拍手」「ザワつき」の効果音も動揺せず

大坂なおみ(ロイター)

“雑音”にも動じなかった。テニスの全豪オープン女子シングルス4回戦(14日、メルボルン)、2年ぶりの優勝を目指す世界ランキング3位・大坂なおみ(23=日清食品)が同14位のガルビネ・ムグルサ(27=スペイン)に4―6、6―4、7―5の逆転勝利でベスト8に進出。ファイナルセットではマッチポイントを2度も握られながら踏みとどまり、約2時間に及ぶ死闘を制した。

会場があるビクトリア州が新型コロナウイルスの感染拡大防止でロックダウン(都市封鎖)に入ったことを受け、13日から5日間は無観客での開催となった。この日のセンターコートでは拍手や声援などの効果音が使用され、ポイント時以外にも観客のザワつきなどリアルな雰囲気が再現された。ところが、この「音」をめぐって思わぬアクシデントが発生した。

ファイナルセットの第5ゲーム、大坂がサーブの動作に入るタイミングで、場違いな拍手音が流れたのだ。恐らく主催者側のミスだろうが、大坂は何事もなかったかのようにサーブを決めてポイントを奪った。さらに、相手のマッチポイントをしのいだ第9ゲームには大坂のサーブ動作で今度は“ザワつき効果音”が…。テニスプレーヤーはサーブ時に最も神経を使うため、かすかな音でも嫌う選手は多い。

ここでも大坂は動揺せず、サービスエースを叩き込んでポイントをゲット。驚異的な集中力で大接戦を制した大坂は「(ピンチの場面でも)ファーストサーブに集中した」と胸を張った。準々決勝(16日)で対戦する世界71位の謝淑薇(35=台湾)は技巧派の難敵。大坂は「厳しい試合になることは間違いない。予測できないプレーの選択をするから」と警戒したが、この日の泰然自若ぶりを考えれば心配無用だろう。

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