“噛みつき男”FWスアレスがAマドリードと結んでいた「奇妙な契約内容」が判明

FWスアレス(中)は新天地のAマドリードでも活躍している(ロイター)

相手選手への噛みつき行為など“悪童”として知られるウルグアイ代表FWルイス・スアレス(34)が現所属のスペイン1部アトレチコ・マドリードと奇妙な契約を結んでいることが明らかになった。

スペイン紙「マルカ」によると、昨夏にバルセロナの“政治”に巻き込まれる形で退団し、2年契約でAマドリード入りが決まったスアレスに対し、クラブ側はいくつかの条件を提示。まずはゴール数に応じたインセンティブで、15点、20点といった区切りがつけられている。これは6季在籍したバルセロナでリーグ戦191試合で147得点を挙げた実績を踏まえたもので、この程度の数字はクリアしてほしいといった願望すら込められている。

興味深いのがもう一つの契約で、もし今季終了時点で本人が望むなら、クラブを退団してもいいというもの。いわば「FA宣言」の行使権を与えた形だ。クラブ幹部は「これほどの選手なのだから、クラブに貢献したいという気持ちがないなら、いなくても結構だ」と理由を説明している。

裏を返せば、スアレスとクラブ側の信頼関係が強固だということの証し。今季のスアレスは前節終了時点でリーグ戦得点ランキングトップの16得点を挙げ、首位を快走するチームを支えている。それだけにスアレスに「FA宣言」する意思はなく、クラブ側も残留を確信しているという。

古巣バルセロナは巨額の赤字の判明などで大きく揺れているが、そこから離れたスアレスは新たな幸せをつかんでいるようだ。

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