伊勢原市が市内の公園の防災機能強化に取り組んでいる。座面を取り外すと炊き出し用のかまどとして使えるベンチや、下水道管につないで使用するマンホールトイレなどの整備を順次進めている。2021年度は千津ふれあい公園(同市東大竹2丁目)に整備予定で、当初予算案に1100万円を計上した。
東日本大震災を契機に、14年度から災害時の一時避難場所となる公園への整備を本格化させ、これまでに中尾谷(桜台2丁目)、永窪(高森3丁目)など10公園に、かまどベンチやマンホールトイレを設置した。今年3月には八幡谷戸公園(八幡台)でも整備が完了する予定だ。
かまどベンチは、座面を外すと鍋ややかんなどを置くための五徳が二つあり、燃料を使って炊き出しができる。マンホールトイレは下水道管路にあるマンホールの上に簡易な便座を設け、プライバシーを確保した上で応急的にトイレとして活用する。
千津ふれあい公園では、地下水をくみ上げて防災用の井戸を設置する取り組みも進める方針。市みどり公園課は「炊き出しもトイレ不足も災害時には大きな課題となる。いざというときに困らないよう、備えを怠らず市民の安全・安心を確保したい」としている。