長崎市の一般会計2243億円 コロナ対策、2020年度補正含め40億円 21年度当初予算案発表

長崎市一般会計当初予算案

 長崎市は16日、2021年度一般会計当初予算案を発表した。歳入・歳出は、過去最大だった20年度に比べ0.7%減の2243億8千万円。同日発表し、計38億9700万円を追加する20年度一般会計補正予算案2件を含め、新型コロナウイルスの感染防止・社会経済対策に40億6100万円を投入する。補正後の20年度予算額は2983億3900万円。22日開会の定例市議会に提案する。【22面に関連記事】
 21年度は、整備中の市恐竜博物館が10月に、MICE(コンベンション)施設「出島メッセ長崎」が11月に開業する。交流人口拡大に向けては長崎開港450周年記念事業費(6500万円)なども盛り込んだ。
 田上富久市長は記者会見で、人口減少対策に引き続き注力する考えを示した上で「コロナが収まれば交流人口も戻ってくると思う。歩みを止めずにやっていくことが重要だ」と述べた。
 21年度予算案では歳入のうち、市税はコロナ禍の景気低迷などで市民税と固定資産税が減り、20年度比6.7%減の510億4千万円。地方交付税と、交付税でも賄えない財源の穴を埋めるため自治体が発行する赤字地方債「臨時財政対策債」の合計は423億400万円と5.4%増える。
 歳出は、職員の人件費や被爆者援護費など経常的経費が0.6%減の1891億1600万円。投資的経費は、22年度完成予定の新市庁舎建設費が増える一方、出島メッセ長崎の建設費のピークが過ぎるなどし352億6300万円と1.1%減る。
 21年度の借金に当たる市債残高は20年度比3.3%増の2828億9800万円で、市民1人当たり68万7千円の計算になる。貯金に当たる基金(財政調整、減債)は150億6500万円から64億8300万円に減る。


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