映画「生きちゃった」の”本当の原作” 石井裕也監督初のエッセイ集「映画演出・個人的研究課題」発売中

現在上映中の映画「生きちゃった」を手がけた石井裕也監督による初のエッセイ集「映画演出・個人的研究課題」が発売されている。2018年~2019年にAERAで連載していた「ウーハイあるいはウーロンハイ」に書き下ろしエッセイを加えて書籍化された一冊で、AERAの連載(雑誌未掲載分も含む)をまとめた第1部「2018年、2019年」と、書き下ろしの第2部「2020年」から構成されている。さらに、中学校時代にスケッチブックに描いていた映画や小説のアイデア、詩やグロテスクな絵も初公開されている。

ノイローゼになりそうな海外での撮影、みっともなくも切ない少年時代の思い出、海外で出会った変わった人たち、社会にはびこる理不尽への静かな憤り、自身の内側に棲むもの、7歳のときに他界した母のことなど、石井監督自身の「個人的な研究課題」についてやさしい目線で語られている。

石井監督は本書を、「原点回帰」と称する映画「生きちゃった」の「本当の原作と言っていい」と語っており、「原点」ともいえる石井監督の「これまで」と「いま」が記された1冊となっている。

映画演出・個人的研究課題
著者:石井裕也
出版社:朝日新聞出版
定価:1700円+税

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