インディの意地を見せられるか。大日本プロレスのBJW認定デスマッチヘビー級選手権(16日、横浜文化体育館)で激突する王者のアブドーラ小林(43)と伊東竜二(43)が、逆境を吹き飛ばす死闘を誓い合った。
同い年の2人はこれまで、同王座をかけて6度も対戦。2003年12月の初タイトル戦から3勝3敗と五分の戦いを展開している。大日本の屋台骨を支えてきた生え抜きが、旗揚げ25周年記念日のメインで激突するのは運命といえるだろう。
小林は「僕も伊東もインディ生まれのインディ育ち。メジャーで生まれインディにやってきた先輩に囲まれるなか、一緒に歯を食いしばって頑張ってきた戦友っていう意識がありますよ。ただ向こうが大学出ている分、僕が4年先輩ですけどね」と語る。一方の伊東も「インディ魂をぶつけ合いたい。向こうがよく『文体は小林!』って叫んでるじゃないですか。でも、私調べだと文体のメインは私の方が多い。あれは間違ってます。確かに戦友ですけど」と口にし静かに目を閉じた。
とはいえ、感傷に浸るつもりはない。団体所有のバス1台とトラック2台が立て続けに壊れ、「トラック募金」を呼びかける事態に発展。追い打ちをかけるように新型コロナウイルス禍の直撃を受け、団体の資金繰りは厳しくなっている。しかし小林は「ピンチ? いまさら何を言ってるんだ! 俺がデビューしてから、うちの資金が潤沢だったことなど一度もないんだぞ。逆風は常に吹いていた。それが大日本の、インディのプライドだ。俺と伊東が濃厚なせっしょ…じゃなくて、激しい戦いを見せてやる!」と動じる様子はない。ベテランデスマッチファイターが、メモリアル大会を熱くする。