防人の島の新名物に レトルト「対馬防人カレー」完成 陸自警備隊とコラボ

陸自対馬警備隊が監修したレトルトの「対馬防人カレー」を手にする(左から)春田営業部長と山口隊長=陸自対馬駐屯地

 防人(さきもり)の島の山海の幸を、レトルトカレーで手軽に-。長崎県対馬市厳原町の食品会社「うえはら」(花澤治子社長)が17日、陸自対馬警備隊が考案した「対馬穴子カレー」をアレンジした「対馬防人カレー」の販売を始めた。同隊監修で実際に隊員食堂で提供されているカレーの味を再現し、トッピングに対馬産アナゴとシイタケを添えている。
 防人は飛鳥時代、大和朝廷が対馬などに配置した国境警備兵のこと。陸自対馬警備隊は対馬の防衛警備のため1980年に発足し、同町の陸自対馬駐屯地に置かれている。
 オリジナルの「対馬穴子カレー」は、九州北部4県の部隊が参加した昨年2月の陸自第4師団炊事競技会で対馬警備隊が最高得点で優勝した逸品。赤ワインやハチミツなどでこくを出したチキンカレーに、アナゴやシイタケのカツなどを添えている。同隊は「対馬を活性化する新名物になれば」と、無償でレシピを提供する島内提携先を募っていた。
 うえはらは、昨年11月から同隊炊事班の指導を受けながらカレーのレトルト化に挑戦。カツの替わりにアナゴは白焼きに、シイタケはつくだ煮にして約3カ月で完成させた。
 完成品は16日、同社の上原正行相談役(76)と春田栄子営業部長(53)が対馬駐屯地に持参。同隊隊長の山口勝1佐(48)が試食し、山口隊長は「スパイシーさの中にも甘みがちゃんと出ている。再現度が高い」と太鼓判を押した。
 上原相談役は「アナゴの白焼きは塩であっさり味に、シイタケのつくだ煮は福神漬けのように甘く仕上げたので、ご飯に添えてもらえたら」と話した。
 「対馬防人カレー」は、カレー200グラム、アナゴ20グラム、シイタケつくだ煮25グラム入りで1パック1200円(税別)。厳原町の同社オープン工場などで販売している。  

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