チャドウィック・ボーズマンは「最⼤限の⼒を注いでくれた」 映画「21ブリッジ」監督インタビュー

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昨年8月に43歳の若さで逝去したチャドウィック・ボーズマン主演の映画「21ブリッジ」の公開を前に、ブライアン・カーク監督のインタビューが公開となった。

「21ブリッジ」は⼀夜で起こった出来事を描いているため、すべてのシーンが夜間での撮影となった。ブライアン・カーク監督は「⾝体は8週間の夜間撮影によって相当な影響を受けています。多くの⼈にとってこんな撮影は始めての経験でした」とその独特な経験を語り、「チャドウィックは、『この撮影経験が、とても興味深くリアルな感じでうまく映画に表れている』と⾔っていました。⾝体的疲労を感じることによって、彼は実際の警察官と同じ体験をすることができたのです。特に殺⼈事件なんかが発⽣すると、実際、警察は3、4⽇間ぐらい昼夜問わず捜査しなければならないし、寝ることもままならないですからね」と、過酷な撮影現場の状況が演技にリアリティをもたらしたことを振り返っている。

本作の成り⽴ちについては、「今回、我々には素晴らしい作品作りの要素がたくさん揃っていました。まず、元々のコンセプトの明確さとその⼒。次に、映画業界の中でも、突出して⼤きな成功を収めたルッソ兄弟が製作として参加したこと。そして3つ⽬は、旬な映画スターであるチャドウィックをキャスティングできたことでした」と脚本、スタッフ、俳優に恵まれたことを語った。特にボーズマンの出演については、「彼が素晴らしい俳優であることは周知の通りですが、『ブラックパンサー』に出演したことで彼の格が⼀気に上がりました。既に映画スターとして世界的アイコンとなったチャドウィックですが、まだまだ俳優として多くの可能性を秘めています。なので、本作へ出演することで、『ブラックパンサー』以来の素晴らしい役になるきっかけを与えられたら、と思ったのです」と期待を込めていたことを明かす。

本作でチャドウィック・ボーズマンはプロデューサーも務めた。監督は「彼が主役兼プロデューサーとして『21ブリッジ』に参加することが決定し、いざストーリーについて話す機会が訪れたとき、僕は彼に『これは物語の“探究”だけど、僕が求める物語の⽅向性に伴って変化する登場⼈物の“探究”でもあるんだ。僕は、役者として君が⾃由に表現でき、⾃⼰探索できるきっかけを与えられるような選択をしたい』と伝えました。そして、彼は最⼤限の⼒を注いでくれたのです。実際LA市警やNY市警両⽅の役柄についてリサーチした際、チャドウィックの経験値に頼った部分が⼤きかったです」と、ボーズマンの功績を称えている。

「21ブリッジ」は、マンハッタン島で起きた8人の警察官が殺害された強盗殺人事件を追う刑事のアンドレを描いた作品。昨年8月に逝去したチャドウィック・ボーズマンの最後の主演作となった。ボーズマンのほか、「アメリカン・スナイパー」などのシエナ・ミラーや、「セッション」でアカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズらが出演している。

21ブリッジ
2021年4⽉9日全国ロードショー
配給:ショウゲート
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