俳優でミュージシャン・宇崎竜童(74)らが20日、都内で映画「痛くない死に方」(高橋伴明監督)の初日舞台あいさつに登壇した。
終末医療に関する在宅医、患者、患者を取り巻く人物との交流などが描かれている。
宇崎は同作で柄本佑演じる在宅医が担当する末期がん患者を演じた。
役柄について、宇崎は「一応セリフも覚えて、間違いなくしゃべっているけど、台本をいただいた時に、監督とは40年来の友達なんですが、その中で見てきた監督が、随所に潜んでいる。だから、これは僕が芝居をしないで、僕が見てきた監督をそのままやればいいんだと思った」と語った。
この日のMCは、がん闘病を乗り越えたフリーアナウンサー・笠井信輔(57)が務めた。
笠井は宇崎に対し、妻の女優・阿木燿子(75)と「役を演じたことで、何か話し合ったことはありますか?」と質問。
これに、宇崎は「死に方ですか? 『一緒に死ねたらいいね』みたいな話は60歳を過ぎたあたりからしている。『私をちゃんと見送って、それからだったらいつ死んでもいい』って。そういう約束をさせられましたね」と明かした。
また撮影を振り返り「場面の中では映っていないけど、監督の若いスタッフ40人くらいが、カメラの向こうにいる。その中で死ぬ。こんなににぎやかな、たくさんの人が看取ってくれる、そういうシミュレーションをさせてもらった気分で。俺は絶対に密葬はしないと、この映画に出て決めました!」と話すと、会場の観客から笑いが起きた。