東京競馬場で行われた2021年JRA・GⅠ開幕戦の第38回フェブラリーS(ダート1600メートル)は、1番人気に支持されたカフェファラオ(牡4・堀)が優勝。若き新王者に迫った2、3着馬はともに8歳馬。世代交代を予感させる一方で、ベテランの激走がダート路線の層の厚さを改めて証明する結果となった。
2着に入った9番人気エアスピネルはダート転向5戦目でGⅠ連対を果たした。昨年の武蔵野Sでも3着に好走しており、芝時代にも最も実績があったマイルで底力を見せた格好だ。中団待機から馬群をさばいて脚を伸ばし、カフェに3/4馬身差まで迫ったところがゴール。
「以前に乗った時よりもはるかにいい状態だった。なるべくロスなく運んで一瞬の切れを生かすというプラン通りの競馬はできた」。鞍上・鮫島駿は結果にある程度、納得しながらも「差が差だけに…。何とかしたかったし、すごく悔しい」と唇をかんだ。
3着ワンダーリーデルはこれまでの追い込み馬という印象とは一転し、正攻法の競馬で結果を出した。「今日は(結果的に)“負けた”だけ。うまくいったと思ったが…」と名手・横山典もイメージ通りの競馬ができたよう。「ここまで(厩舎が)仕上げてくれたし、まだ馬も若い。8歳でも大したもの」と相棒をたたえた。
ともに8歳でも戦力を維持し、さらに進化を続けてのGⅠ好走。今後もダート戦線を盛り上げてくれそうだ。