特別な夏へ「再始動」 ゴールボール、1年ぶり公式戦

感染対策を万全にして行われたゴールボールのジャパンパラ大会=6日、千葉ポートアリーナ

 24日で東京パラリンピック開幕まで半年となる。コロナ禍を乗り越え、パラスポーツも再び前に進み出している。ゴールボールは今月上旬、代表内定選手が集結し、約1年ぶりとなる公式戦を開催した。目隠しをしてプレーするため、人や物に触れる頻度が高い競技性。感染対策にはより慎重にならざるを得ないだけに、関係者は「大きな収穫だった。ファンの関心や期待を高めていきたい」と確かな一歩をかみしめている。

 6、7の両日、千葉ポートアリーナで行われた「ジャパンパラ大会」。例年は海外の代表チームを招待するものの今回は見送り、男女の日本代表による紅白戦と、国内クラブチームとの対抗戦が行われた。

 昨年3月以来となる公式戦。日本障がい者スポーツ協会の染谷浩企画情報部長は緊急事態宣言下での実施の意図を、「選手には実戦感覚をつかんでもらい、ファンにはオンライン観戦を楽しんでもらうため」と説明する。

 一方、競技特有の難しい事情もある。もともと視覚障害者のために考案されたスポーツ。選手は全員、黒いアイシェードを着けてプレーする。ボールの位置は鈴の音で判断するが、耳だけが頼りではない。

 選手の多くはゴールポストや床を手で触って自身の位置やボールのコースを察知する。さらに、審判や選手間でのボールの受け渡しも多い。「手で触る機会が多いため、頻繁に消毒をするようにした」と染谷部長。対策は試合中だけではない。

© 株式会社神奈川新聞社