開幕戦ポルティマオのエントリー発表。グリッケンハウスが欠場、コルベットが参戦/WEC

 WEC世界耐久選手権は2月26日、4月4日に決勝が行なわれる開幕戦『ポルティマオ8時間レース』のエントリーリストを発表した。4クラス合計で32台のマシンが名を連ねている。

 LMP1に代わって今季から新たな最高峰クラスとなる『ハイパーカー』クラスでは、年間エントリーリストには含まれていたアメリカ籍のグリッケンハウス・レーシングの2台が欠場。トヨタGAZOO RacingのGR010ハイブリッド2台と、アルピーヌ・エルフ・マットミュートの走らせるノンハイブリッドLMP1マシン1台の、計3台のみがエントリーしている。

 ポルトガル南部に位置するポルティマオのアルガルベ国際サーキットで行なわれる2021年開幕戦は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、無観客で行なわれることが発表されている。

 ル・マン・ハイパーカー(LMH)規定に合わせた新時代のハイブリッド・レーシングカー、GR010ハイブリッドのデビューレースとなるトヨタは、7号車にマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス、8号車にセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレーという不動のラインアップを採用する2台で、耐久レースの新たなステージの幕開けを迎える。

 なお、全日本スーパーフォーミュラ選手権へエントリーすることがトヨタから発表されている一貴と可夢偉だが、このWEC開幕戦ポルティマオの日程は、スーパーフォーミュラの第1戦富士スピードウェイ戦と日程が重複している。

 イタリアでマシンを開発するグリッケンハウスは当初、アメリカで予定されていた開幕戦セブリングを欠場することを明らかにしていた。その後、開幕戦がヨーロッパ内のポルティマオへと変更になったことで、フル参戦の可能性が出てきていたが、ここへ来てポルティマオの欠場が正式なものとなった。

「我々の目的は速くなること、そしてル・マンで勝つことだ」と、2月25日に『グリッケンハウス007 LMH』をシェイクダウンしたグリッケンハウスのチームオーナー、ジム・グリッケンハウスはSportscar365に対し語っている。

「ポルティマオへと駆け込んで、ただそこにいる、という風にはならない。スパではレースに加わるかもしれないし、その後はル・マンだ」

 グリッケンハウスのほか、1月21日に発表されていた年間エントリーリストからのエントリー変更としては、LMGTEプロクラスへのコルベット・レーシングの参戦がある。63号車シボレー・コルベットC8.Rを走らせるのは、おなじみのアントニオ・ガルシアとオリバー・ギャビンのふたりだ。既報のとおり、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するコルベット・レーシングは、ル・マンまでのWECの開幕3戦へのエントリーを企図している。

 このほか、LMP2クラスに新規参戦するベルギーのWRTでは、新たに参戦ドライバー名が明らかになった。フェルディナンド・ハプスブルクとシャルル・ミレッシが、年間エントリーリストで発表されていたロビン・フラインスに加わっている。

 新規フル参戦する日本チームとして注目されるDステーション・レーシング(LMGTEアマクラス)については、今回のエントリーリストでは星野敏・藤井誠暢と組むドライバーの名前は、まだ明らかとなっていない。

■WEC世界耐久選手権 第1戦ポルティマオ エントリーリスト

■WEC世界耐久選手権 第1戦ポルティマオ エントリーリスト(2月26日発表)

No. Class Team Machine Driver Tyre

7 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド M.コンウェイ
小林可夢偉
J-M.ロペス MI

8 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド S.ブエミ
中嶋一貴
B.ハートレー MI

36 HYPERCAR アルピーヌ・エルフ・マットミュート アルピーヌA480・ギブソン A.ネグラオ
N.ラピエール
M.バキシビエール MI

1 LMP2 リシャール・ミル・レーシング・チーム オレカ07・ギブソン T.カルデロン
S.フローシュ
B.フィッセール GY

20 LMP2 ProAm ハイクラス・レーシング オレカ07・ギブソン J.マグヌッセン
A.フィヨルドバッハ
D.アンデルセン GY

21 LMP2 ProAm ドラゴンスピードUSA オレカ07・ギブソン H.ヘドマン
J-P.モントーヤ
B.ハンリー GY

22 LMP2 ユナイテッド・オートスポーツUSA オレカ07・ギブソン P.ハンソン
F.シェーラー
F.アルバカーキ GY

28 LMP2 JOTA オレカ07・ギブソン S.ゲラエル
S.バンドーン
T.ブロンクビスト GY

29 LMP2 ProAm レーシングチーム・ネーデルランド オレカ07・ギブソン F.バン・イアード
G.バン・デル・ガルデ
J.バン・ウィタート GY

31 LMP2 チームWRT オレカ07・ギブソン R.フラインス
F.ハプスブルク
C.ミレッシ GY

34 LMP2 インターユーロポル・コンペティション オレカ07・ギブソン J.スミエコウスキー
R.バン・デル・ザンデ
A.ブランドル GY

38 LMP2 JOTA オレカ07・ギブソン R.ゴンザレス
A.F.ダ・コスタ
A.デビッドソン GY

44 LMP2 ProAm ARCブラスティラバ リジェJS P217・ギブソン M.コノプカ
TBA
TBA GY

70 LMP2 ProAm リアルチーム・レーシング オレカ07・ギブソン E.ガルシア
L.デュバル
N.ナト GY

51 LMGTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo A.ピエル・グイディ
J.カラド MI

52 LMGTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo D.セラ
M.モリーナ MI

63 LMGTE Pro コルベット・レーシング シボレー・コルベットC8.R A.ガルシア
O.ギャビン MI

91 LMGTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR-19 G.ブルーニ
R.リエツ MI

92 LMGTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR-19 K.エストーレ
N.ジャニ MI

33 LMGTE Am TFスポーツ アストンマーティン・
バンテージAMR B.キーティング
D.ペレイラ
F.フラガ MI

46 LMGTE Am チーム・プロジェクト1 ポルシェ911 RSR-19 D.オルセン
TBA
TBA MI

47 LMGTE Am チェティラー・レーシング フェラーリ488 GTE Evo R.ラコルテ
TBA
TBA MI

54 LMGTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo T.フロー
F.カステラッチ
G.フィジケラ MI

56 LMGTE Am チーム・プロジェクト1 ポルシェ911 RSR-19 E.ペルフェッティ
M.カイローリ
TBA MI

60 LMGTE Am アイアン・リンクス フェラーリ488 GTE Evo C.シャイアボーニ
A.ピッチーニ
M.クレッソーニ MI

77 LMGTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR-19 C.リード
J.エバンス
M.キャンベル MI

83 LMGTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo F.ペロード
N.ニールセン
A.ロベラ MI

85 LMGTE Am アイアン・リンクス フェラーリ488 GTE Evo R.フレイ
M.ゴスナー
M.ガッティン MI

86 LMGTE Am GRレーシング ポルシェ911 RSR-19 M.ウェインライト
B.バーカー
TBA MI

88 LMGTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR-19 J.アンドラウアー
TBA
TBA MI

98 LMGTE Am アストンマーティン・レーシング アストンマーティン・
バンテージAMR P.ダラ・ラナ
TBA
TBA MI

777 LMGTE Am Dステーション・レーシング アストンマーティン・
バンテージAMR 星野敏
藤井誠暢
TBA MI

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