音喜多駿参院議員があた党代表辞任 自身の〝二重党籍〟問題でもケジメ

あた党代表を辞任する音喜多氏

地域政党「あたらしい党」代表の音喜多駿参院議員(37)が2月28日、代表辞任を発表した。1月の千代田区議補選に立候補した梅田なつき氏のSNS上での発言を巡る騒動での責任を取っただけでなく、日本維新の会、東京維新の会内部での対立構図も露呈していた中、ケジメを強いられた格好だ。

音喜多氏は辞任届を提出した理由について、まず千代田区議補選の問題と挙げた。同選に立候補した梅田氏はツイッターで自身への批判ツイートに対し、「刑罰の対象となるのでそのつもりでね…」「不法行為・犯罪行為の証拠は削除しておくことをお勧めします」などと投稿。あた党は「表現の仕方に問題がある」「威圧とも取れる」として、梅田氏に厳重注意と特別党員・区政対策委員としての活動を認めない処分を下していた。

音喜多氏はSNSで「あたらしい党の内外から厳しい批判が出されただけではなく、私が維新との二重党籍を持っていることで、公認候補者が『維新』であると勘違いされたことにより、維新の会にも多大なるご迷惑をかけることになりました。東京維新の会の事務局には多くのお叱り電話が入り、東京維新の役員メンバーからも『音喜多議員の責任は重い。ケジメをつけるべきだ』という声が上がりました」と、日本維新の会の東京総支部に当たる東京維新の会の副代表職も合わせて辞任届を提出した。

東京維新の会もゴタゴタ続きだった。昨年8月に港区議が公然わいせつの疑いで逮捕されれば、12月には江戸川区議が道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで書類送検される不祥事があった。2人の処分や執行部の責任を巡って、ひと悶着もあった。

音喜多氏は「残念ながらあたらしい党・維新は双方の所属議員・支持者(の一部)が、事あるごとにいがみ合うような状態が続いていたことは事実」「私としては、毛色・特性が違う両党が協力をしあうことで、東京における『第三極』のプレゼンスをより高めていけるものと考え、間に入る立場でなんとか双方に折り合いをつけるべく活動をしてきました。しかしながら、千代田区議補選の事件勃発により、両党の関係は抜き差しならぬところまできてしまったと判断した」と双方の党で要職に就いているのはもう限界との判断に至ったという。

今後、音喜多氏はあた党では党員から党友となり、投票権を持たない「顧問」の形をとりたいという。都議時代からブロガー議員、〝小池の犬〟などと、話題を振りまいてきた音喜多氏だが、維新では一兵卒として、出直しを図りたいとした。

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