【中山記念】渡辺「GⅠ級不在のGⅡだったが伸びシロのある馬が勝ったということ」

接戦を勝ち切ったヒシイグアスはGIを意識できる走り

【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」・中山記念】

渡辺 結果的に1番人気のヒシイグアスがタイレコードの1分44秒9で勝利。17年前のこのレースでサクラプレジデントが叩き出した数字だ。

柏木 今回はいわゆる“根幹距離”ではない1800メートル。この馬にはアメリカ系の血が入っている。アメリカでは1800メートルが主流ということもありますが、もうそんな話は当てはまらないですね。日本では1800メートルや1400メートルのGⅠはありませんが、ヒシイグアスは2000メートルでも問題ない。というより3戦3勝ですから。

渡辺 通過ラップは5ハロン57秒8→8ハロン1分32秒8というとんでもない流れ。GⅠ級不在のGⅡだったが、伸びシロのある馬が勝ったということ。

柏木 ハーツクライ産駒は5歳で良くなる馬が多い。リスグラシューなんかもそうですし、ヒシはこれから大いに期待できるでしょう。今日は少し体を絞ってきて、見た目にもシャープでした。

渡辺 3着ウインイクシードは0秒1差と頑張った。中山金杯ではヒシと0秒3差だったが、オーバーペースの中でよく伸びて中身が濃かった。

柏木 そうですね。逃げたバビットに加えてトーセンスーリヤも前に参加していました。結果、バビットはしんがり負け。この馬は他馬に主導権を握られると良くないタイプですね。結果は中山金杯の1、3着馬と、京都金杯勝ち馬が上位独占という形です。

渡辺 2着ケイデンスコールは1800メートルが課題だったが、高速馬場がいいほうに出た。今回、唯一のGⅠ2着(NHKマイルC)馬で底力はあるからな。ゴーフォザサミットは引退レースだったエビショウの渾身騎乗で4着まで押し上げた。

柏木 クラージュゲリエは迫力不足で、途中からついて行けませんでした。アンドロメダS2着時も時計が速くて止まりましたからね。やはり今日はヒシイグアスです。春のGⅠ戦線での走りが楽しみになりました。

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