ハリエット・ウォルター「映画には 世界の見方を変える力がある」 「サンドラの小さな家」出演

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フィリダ・ロイド監督&クレア・ダン脚本・長編初主演の映画「サンドラの小さな家」に出演するハリエット・ウォルターのインタビューが公開となった。

「吸血鬼ドラキュラ」などで知られるクリストファー・リーを叔父に持つハリエット・ウォルターは、舞台・映画・テレビで活躍し、2011年には大英帝国勲章(DBE)を授与され、デイムの称号を持つ女優。本作のフィリダ・ロイド監督が演出を手掛けたオール女性キャストのシェイクスピア劇三部作の「ジュリアス・シーザー」「ヘンリー 4 世」「テンペスト」では主演を務め、本作の脚本兼サンドラ役のクレア・ダンと共演している。

脚本を執筆していた頃のクレア・ダンを居候させていたというウォルターは、「執筆中のクレアとはよく話したのだけど、作品のテーマを聞くとダブリンの住宅危機”とか“夫の暴力から逃げる女性”と言うので私向きの作品ではないと思いました。でも、実は彼女は年配の女性の役を書きあげていたんです」と振り返っている。

本作でウォルターが演じるのは主人公のサンドラが掃除婦として働く家の雇い主ペギー。医師だったペギーは一見気難しそうな未亡人だが、サンドラの境遇を知って誰よりも先に手を差し伸べる。「クレアとフィリダとは舞台で組んだことがあったので互いによく知っていて、とてもやりやすかった。3 人で一緒に演出を決めました。”その台詞は他のシーンで言おう””そこは言葉より目で語ろう””それは私に合わないわ”とかね。いつも仕事に行く車の中で話し合ったんです。そういう贅沢を味わえる仕事は滅多にありません」と、フィルダ・ロイド監督やクレア・ダンとの信頼関係を語っている。

本作では実際にサンドラの家が建設されていることについては、「本作のように目に見える物理的な進歩や、夢が形のある現実になる様子を描いた作品は多くありません。家は本作のテーマの象徴と言えます。何もないところから自分の力で何かを作っていくこと。自立した人間になること。他人の善意に助けられることの象徴なんです。最初は空き地だった場所に木の骨組みができ、壁ができ、タイルが貼られ 塗装される。現場に来るたび家が建っていくなんて、初めての経験でした。観客の皆さんも楽しめるはずよ」と、家を自分たちで作り上げる過程を見ることが「本当に感動的だった」と回想している。

本作の魅力について「登場人物はどこにでもいる普通の人々ですが、良識と寛大さにあふれています。人は助け合えることを思い出すはずです。最近では憎み合いばかりがニュースになっているので非現実的かもしれません。でも映画には 世界の見方を変える力があると思います。本作もそういう映画です」と、力強くアピールしている。

「サンドラの小さな家」は、「マンマ・ミーア!」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のフィリダ・ロイドが監督し、長編初主演となるクレア・ダンが脚本と主演を務めた作品。舞台を中心に活躍していたダンが、シングルマザーの親友が「アパートを追い出されて行き場がなくなる」と電話をしてきたことをきっかけに、本作の脚本を執筆。脚本を読んだロイド監督がほれ込み、ダンが主演することを条件に監督を引き受けた。Variety誌が選ぶ 2020 年ベスト映画第4位に選出されるなど、高い評価を受けている。

サンドラの小さな家
2021年4月2日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給:ロングライド
©Element Pictures, Herself Film Productions, Fís Eireann/Screen Ireland, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute 2020

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